悪性腫瘍への不安

毛細血管拡張性(小脳)失調症では、細胞の修復(ひいては細胞のがん化を防ぐ) 機能に重要な役割を果たしているといわれているATM遺伝子の異常が認められます。
それゆえ、リンパ系腫瘍等の悪性腫瘍の発症率は通常と比べ、数百倍と高い確率だと言われています。
「悪性腫瘍」=「命にかかわる」というイメージから悪性腫瘍をいつ発症するのだろうか、という不安がいつも心のどこかに存在しています。

特にEBウイルスによる血球貪食症候群を発症した際も白血球の数が異常に低下して、血液系のがん(白血病や悪性リンパ腫)なのかと不安になりました(すぐに否定されましたが)。
また、免疫不全症患者がEBVによる血球貪食症候群になると、悪性腫瘍発症のリスクが高まるという主治医からの説明に「ATだけでも発症リスクが高いって言われてるのに、また?」という思いもありました。

実際、AT患者で、EBVによる血球貪食症候群を発症し、さらに、通常ならば産出すべきEBVに対する抗体もできていない、つまり慢性の状態という現状から鑑みると、リンパ腫などの悪性腫瘍の発症リスクはさらに高まったようです。

白血病などは、近年の目覚ましい医療の発展により不治の病という時代から治せる時代へと移り変わり、プロトコルの改善もより進んでいるようです(2次がん等の問題は山積のようですが)。
ですが、ATの場合は、とても残念なことですが、通常行われる放射線治療や抗がん剤治療、幹細胞移植等の治療は難しいのです。
細胞の修復機能が不完全なため、合併症や二次がん等の影響が大きすぎるからです。
抗がん剤治療では、本来がん細胞を叩くのに必要な投与量をおとして治療 することになります。
もちろん、ATの特徴に合わせたプロトコルの改善という形だとも言えますが、厳しい病気との闘いになることは当然予想されると思います。

長期間続く微熱や青白い顔、疲れたように横になる姿・・・・、血液検査では異常がない、と言われても、そんなまんまるの様子に心が不安でいっぱいになることがたまにあります。

今は元気だけれども、苦しみや痛みと闘う日がくるのだろうか、通常の標準的な治療が受けらないことで、まんまるがより病気で苦しむことがあるかもしれない、などと考えると胸が苦しくてたまらなくなります。

なってもいない病気を恐れるなんて、もったいない、今を大切に生きようという気持ちで毎日を過ごしています。今は、本当にまんまるも元気で、家族で過ごせる毎日に幸せいっぱいなのも本当の気持ちです。

ですが、不安で不安で仕方がない気持ちが、心の奥からどうしても湧き出てくることも時にある、というのが正直なところです。

 

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