保育園行けるの?

〜保育園へ預けるかどうか〜

   保育園問題・・・保育園に行くことについては、病気が分かってから、常に私たち両親を悩ませてきたことのひとつです。
仕事を辞めることになるかもしれない、というのは、まんまるの「毛細血管拡張性失調症」という病気が判明した時から覚悟はしてきたつもりです。だけれど、それが、どのタイミングなのか、どういう状態の場合なのか、ということは、まんまるの感染症のかかり具合、失調症状等の進行具合、悪性腫瘍発症の有無などもみながら・・・・と考えています。
(言いかえると、2009年9月現在、今現在としては、仕事を辞めてまんまるを家でみるところまでは考えていません。
 これも断言しているような書きぶりですが、これまた悩んだ末の
今のところの決断です・・・・。)

〜これまでの保育園の入所状況〜

まんまるは、慣らし保育から入所し、「血球貪食症候群」にかかるまで保育園に通っていました。1歳の誕生日の前2週間から2歳2ケ月の間の約1年ちょっとです。その間にまんまるが1歳9ケ月ごろには、ATの病名が確定し、保育園へも病名や症状、対応についてお話をしました。

血球貪食症候群で入院した際、一旦保育所を退所しましたが、保育所や市役所へ連絡をし、退院してしばらくしたら、また引き続き同じ保育所に入所できるように依頼をして了承していただいていました。(この入院したての段階では、元気になったらすぐ戻るつもりでした。)
しかし、無事退院はしたものの、血球貪食症候群という病気自体の怖さ、治療後の薬の副作用、まんまるの体力低下、免疫力低下、精神的ダメージ(笑顔がすっかり消え私から離れようとしませんでした)、何より、血球貪食症候群以後、発症するかもしれない別の病気(慢性活動性EBウイルス感染症や悪性リンパ腫)への不安・・・・・これらが入り混じり、主治医とも相談して、保育園はそのまま退所することに決めました。
まんまるの3歳の誕生日までは、育児休業を取ることにし、それ以降のことは、正直その段階では全く白紙、というような気持ちでした。

そして、現在は、退院時にはいつまで続けるのか未定だった免疫抑制剤の服用も比較的短期間でなくなり(肝機能の数字がいまいちよくなかったせいもあるのですが・・・)、おかげで薬の副作用や免疫低下の心配もすっかり消えました。退院後は笑ったり遊んだりすることなど全くなかったまんまるが今では元気すぎて困るほど・・・。
退院後、日を追うごとに元気になっていったまんまるですが、でも、本当にこの状態になるまでには、半年近くかかったと思います。無理して保育所へ戻ってまんまるに無理させずにすんで本当によかったと実感しています。

そしてまんまる本来の元気を取り戻した現在、私の仕事復帰、まんまるの保育所入所についてやっと動き始めることができました。まんまるの3歳の誕生日、2009年の12月より本格的に保育所へ行くことになっています。

 〜これまでの保育園でのサポート〜

現在は、退所していますが、その前までの保育所で行ってくれていたサポートについて書いてみようと思います。
病気が判明してからは、主に免疫不全と運動失調の2つに対する対応を保育園にお願いしなければなりませんでした。

まずは、感染症対策ですが、まんまるが通っていた保育園は、私たちが住む町の中でも比較的大規模保育所の部類に入ります。つまり、多くの園児と触れ合う機会もそれだけ多くなります。
朝8時前に預けに行くと、全年齢児が一つの部屋に集まって保育されていました。そのため、まんまるが登所する時間帯は、まんまるのクラスとさらに小さいクラスの子は、クラス保育に切り替えてもらっていました。
また、保育園で、インフルエンザや水ぼうそうなどが出たときは、すぐに教えてもらいました。(予防的にお休みできることは少なかったですが)また、乾燥するとウイルスが繁殖しやすいため加湿器を新たにお部屋に置いてもらったり、もちろん手洗いなどはよりまめに丁寧にしてもらうようにしていました。
あと、みんな持っているおたより帳とは別のノートを用意し、毎日家庭での体調や朝の検温を記入し、保育園からもその日の様子や検温(日に3回)結果を書いてもらいました。
またお外に出る時は、必ず帽子と日焼け止めを塗ってもらうようにしていました(紫外線対策)。

運動失調に関することでは、「頭保護帽」というヘッドギアのようなものをつけていました。
自宅やプライベートでは必要ないのですが、集団保育の中では必要です。転倒の際、まんまるはもちろん、お友達に怪我がないようするためです。これひとつで保育士さん達はずいぶん安心感が違うということでした。全額自費で1万位でした。
また園に一人看護師が配置されており、できる限り(特に外遊びのときなど)、まんまるに1対1でついてもらっていました。

さらに発達センターによる園との連絡調整、訪問指導にも随分助けられました。
発達センターのPT(理学療法士)と保育士さんとの間で連絡帳をやりとりされ、センターからは訓練の様子を伝えたり、保育園からは、園での様子や困ったことや気になることを連絡帳を通じてお尋ねされていました。
さらに、発達センターから医師とPTとで何度か保育園を訪問され、保育の様子をみて、まんまるの活動の補助への助言や感染症予防の環境改善の提案を園側へされていました。さらにその後も何か月かに一度、定期的に訪問してもらい、保育園の先生方との意見交換や環境改善状況のチェック、さらにどのような対応が必要かなどをチェックしてもらえました。

これらは一部を除いてほとんど保育園の先生方や、発達センターの医師、PTからの提案からスタートし行うことができました。
難しい疾患を抱えながらの保育園生活、初めてのことばかりでおろおろしていた私たちに専門の方から適切な助言や提案をしてもらい、不安ばかりの日常生活を、本当にフォローしてもらいました。感謝の言葉しかありません。

〜再入所の難しさ、「障害児の入所」の難しさ〜

まんまるが最初入所していた1歳から2歳2ケ月までの期間の途中で、毛細血管拡張性失調症が判明したのですが、上でも述べたように、保育園の先生方や発達センターの方には、本当によくしていただきました。
病気のまんまる、さらに歩行がおぼつかないまんまる、こんなまんまるを日中みている保育士さんたちには、心配くださり、保育園でまんまるが元気に安全に過ごせるように様々な配慮をしていただきました。病名が判明しても変わらずというかより一層サポートをしてくれる園に感謝でした。

しかし、一旦退所し、再度「障害児」の看板を背負ってからの入所というのは、思いもよらない入所の難しさ」をつくづく実感することになりました。保育園でも職員の加配がつくということもあり、まんまるのためにと取った障害者手帳と特別児童扶養手当の申請でしたが、逆に「障害児」の看板を背負ってしまって悲しい思いをしたような気にさえなったのです。
いわゆる障害児の入所というのは、市の保育所入所担当部署でもそんな簡単に受け付けません。
最初に電話で問い合わせをした際は、「2歳児クラスの子供が多くて、普通の子供さんでも受け入れていないので難しい」と ぼ拒否とも思われる回答

ここで引き下がるわけにもいかないので、日を改めて、直接市役所へ。
そこでもほぼ前回と同様の回答で、「2歳児のクラスの人数が多くて、退所予定の子供さんはいない。お預かりしても何かあったときに責任がとれない、安全管理に園(市)としても不安がある。」と・・・・・。さらに「預けるにしても、預ける時間をできれば短くしてもらいたい。フルタイムの勤務ですか?」ということでした。
(もちろん、市役所に保育所入所の相談をするずっと前から私の勤務時間の短縮については、うちの職場の制度を調べ、人事担当部署にも事前に相談をしていて、できるだけまんまるに負担の少ない形で勤務をすることは考えていましたが・・・。)

その後、保育所の園長にまんまるの様子を見せて、直接お話しをしてください、とのことで、アポをとって通い慣れた保育所へ行くことにしました。
保育園でのまんまるを連れての面談を園長や他の保育士さん同席で行いました。
私は、これまでの園で支援してもらっていた経緯、まんまるが慣れ親しんだ園がまんまるにとっても一番いいこと、両親の協力が得やすい場所であること、まんまるも今のところは失調様歩行はあるものの元気なこと、食事の介助等特別な介助は不要なこと、ただ、感染症の危険はあり、手洗いうがいの徹底等をお願いしたいこと、こけやすいこと、現在の歩行の状況、外遊び時などの介助見守りが必要なことなどをお話しました。

ただ、園としても、保育士が病欠などの長期休職者がいて対応する職員体制が整っていないこと、園児が定員いっぱいで今でもクラスごとに人数調整を強いられている状況であること、お預かりするにしても安全管理が難しいということでした。
いわゆる「障害児」さんが通う障害児通園施設を勧められもしました。知的や身体に障害のある子が通っておられる施設です。
こちらも事前に検討したことがありましたが、その施設だと通園時間の関係から私は仕事を退職する必要がありましたし、障害の程度が軽いまんまるにはまだ早いかなと個人的には考えていました。

まんまるの安全性を第一に考えていただいていること、預かるとなれば責任を持って預かることになる、その責任感のあらわれであるということは、頭の中では、理解していたつもりです。「大丈夫です」と気軽に受けてしまわれることの方が不安です。
でも「入所の可否について検討します」ではなくて、まずは「難しいです、受け入れはしていません」と言われることに、正直、とても親としてもその落胆、落ち込み、ストレスを感じたことは間違いありませんでした。
面談の最後には「受け入れるかどうかについては保留」というお答えを頂きました。が、市役所や保育所の消極的なオーラにほぼ保育所入所の希望を失いかけていました。他の幼稚園や保育所なども調べましたが、状況は厳しいものでした。

〜障害児保育の入所条件〜

その後待つこと約1ケ月、市役所の担当者からようやく連絡がありました。
「まんまるくんの状態などから判断して、園とも相談して、希望の保育所に入所の方向で調整 します」というものでした。
よ、よかった〜。

ただ、お預かりするのに条件がありますということでした。
まず、保育時間 の件。
障害児には加配の先生がつくのですが、その先生の雇用の関係で、16時45分までしかあずかれないので、必ずその時間までにお迎えにくること。その後、加配の先生がおられない状態での集団保育となると、まんまるの安全性の確保に責任がもてません、とのこと。また、まんまるの体力的にも夕方遅くまでの保育は難しいということ。
次は、まんまるの具合が悪かったり、お熱がある場合など、特にまんまるは心配が多いので、必ず保育園から連絡があったら速やかにお迎え にきてもらうこと。

この2つの条件を守ってください、ということでした。
この1つめの保育時間については、いわゆる障害児保育の場合は、メジャーなことのようです。自治体の障害児保育実施要綱などでも保育時間を対象児の状況等を鑑み別に定めることができるなどと規定されていることが多くそれに基づいていると思われます。
まんまるの体のことを考えて、もともと短めの勤務体制については考えていました。この条件を受けて、発達センターの医師などにも相談しながら、どのような形態での勤務がまんまるにとって負担がないか相談して勤務時間を決め、上司にも承認を得ました。
2つ目は、当たり前のことで、わざわざ約束させられるようなことではない気もしますが。

職場の上司や仲間にも迷惑かけるかもしれませんが、とりあえず、職場復帰して、まんまるも保育園生活がスタートできそうです。途中、退職の覚悟を決めた時期もありましたが、いろいろ検討してもらった結果としてはこちらの希望どおりとなり、本当にありがたいことだと思います。

一応最後に付け加えますが、役所や保育園の対応は、障害児保育対象児の保育を受ける上で、適切でごく当たり前の対応だと思います。
最終的には「まんまるくんに一番いい方法でいきましょう」、「まんまるくんが安全に楽しく保育園で過ごせるような形になることが一番ですね」と声をかけられ、本当にまんまるのことを思っていただいたと思っています。
世の中には、何度も何度も両親揃って役所に申し入れに行ったりして、1年近く待たされたり、結局申請書さえ提出できなかったりするケースもあると聞きます。

私がフルタイムの職場で、復職の時期が迫ってきていること等もあると思いますが、申し入れからお返事までも短期間だったと思います。
また、世の中のまんまるより厳しい状態の障害児さんの保育所や幼稚園の入所が、まんまるのケースとは比べものにならないほどかなり厳しい風に吹かされているのだろうというのは、今回のことで実感しました。
難しい問題だとは思いますが、ハンディを持った子供も負担なく普通の生活が送れる社会、親が泥だらけ状態で頑張りすぎなくていい社会が実現できたら・・・と思わずにはいられません。
途中、どうなることかとあせりましたが、結果として、私は、とても恵まれていると実感した保育園入所でありました。

 

  

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